第14回この黒、なんで透けてるの?
Adobe Illustratorを使った操作となります。
※わかりやすく説明するために、一部画像は誇張しております。
プリタン、ボクが先日注文したハガキなのですが、黒のところが透けてるんです。
これって印刷ミスではないのでしょうか?
ん?確認するからちょっと見せてよ
あおくん、これはオーバープリントが原因だね。
オブジェクトがK100%になっているから、背景が透けちゃったんだ。
ななな、なんですとー!
ぜんっぜん意味がわかりません!!!
まずは、黒の種類から説明するね。
黒の種類については、わかりました。
でも、どうして透けちゃったんでしょうか。
キングプリンターズでは、K100%のオブジェクトはすべてオーバープリントになっちゃうんだ。
これから、オーバープリントについて説明するね。
どうしてK100%オブジェクトは、オーバープリントにするんですか?
少しでも版がズレると、白い隙間ができてしまうからなんだ。
それを「見当ズレ」と呼ばれているよ。
そうなんですか。
では、背景が透けてしまうのは仕方ないことなんでしょうか。
そんなことはないよ。それを防ぐ為には・・
ほー。そうなんですね。じゃぁ、カラー面に使用する黒は、すべて
「リッチブラック」にしてしまえば、安心ですね。
それは違うよ、あおくん。
細かい文字や線は、K100%の方がくっきり印刷されるよ。
それぞれの特徴を生かし、用途によって使い分けることが大切だよ。
細い文字や線は K100% のみが適している。
細い文字や線にリッチブラックを指定すると、見当ズレ(版ズレ)が発生した際に、文字がぼやけて読みにくくなる可能性があります。
細かい文字や線の場合、それぞれの特徴は以下の通りだよ。
ほぼスミベタと同じ色が表現できます。
背景が単一色なので透けても目立ちません。
文字がくっきり印刷されます。
見当ズレ(版ズレ)が目立ちにくく、深みのある黒になる。
見当ズレがなく、文字がくっきり印刷されます。
小さな文字だと、見当ズレで文字がぼやけてしまう可能性がある。
見当ズレがなく、文字がくっきり印刷されます。
小さな文字だと、見当ズレで文字がぼやけてしまう可能性がある。
背景の透けは、モニター上では確認ができないから、
K100%のオブジェクトには注意だよ!
K100%のオブジェクトには注意だぜ!
デザイナーなら、誰もが1回はやってしまう失敗だぜ。
キングプリンターズよりお願い
オーバープリントはデータチェック対象外となります。
ご注文時は十分注意してください。
初心者向けの印刷データ作成ガイド「完全データへの道」が便利な冊子になりました。多くの方に読んでいただけるよう、イラストや会話で構成していますが、その内容は、プロのDTPスタッフ監修のもと作成しておりますので、印刷会社のエッセンスを加えた、たいへん実用的なものになっています。ぜひ、お手元に一冊置いてご活用ください。
項目別ガイド
- 第1回:文字のアウトライン
- 第2回:塗りたし
- 第3回:リンク画像
- 第4回:画像の埋め込み
- 第5回:文字を収める範囲
- 第6回:画像解像度
- 第7回:刷色について
- 第8回:拡張子について
- 第9回:折り幅について
- 第10回:トンボについて
- 第11回:CMYKとRGB
- 第12回:サイズについて
- 第13回:天地について
- 第14回:K100の秘密
- 第15回:文字の最小サイズ
- 第16回:ガイドについて
- 第17回:圧縮について
- 第18回:解凍について
- 第19回:特色について
- 第20回:ファイル名について
- 第21回:裏移りについて
- 第22回:ラスタライズについて
- 第23回:ロック、隠すについて
- 第24回:孤立点について
- 第25回:グレースケール変換
- 第26回:フォトショップでガイド
- 第27回:続フォトショップでガイド
- 第28回:サンプル画像について
- 第29回:オーバープリント
- 第30回:フォトショップの保存形式