紙厚220kg以上の紙がオススメです!紙厚とは用紙の厚みを表す単位(※)で、数字が大きいほど分厚い用紙です。
(※紙厚に関しては、詳しくはこちらのページでご確認いただけます。)
「油性ペンで文字を書き込んだら、用紙の下の机にまでインクがついてしまった・・・!」
「スケジュール帳にボールペンで書き込んだら、裏のページに透けて見えて裏に書いていた予定が見にくい。」
誰もが一度はこのような紙のトラブルを経験したことがあるのではないでしょうか?
サイタはデザインの細かいところまで気になる性格。
このため、油性ペンのインクが裏面のデザインを邪魔したり、ましてや次の用紙が使えなくなると悲しくなります。
こういった用紙の裏までペンのインクが透けて見えてしまう現象のことを「裏抜け」といいます。
あなたも「裏抜け」で悲しい思いをしたことはありませんか?
そこで今回、弊社取り扱い用紙にペンで書き込みをした際の透け具合を検証していきます。
これを読めば、用紙の違いで発生する透け具合を知ることができるので、「裏抜け」トラブルを防ぐことができますよ!
「実際に透けて見えるか?」を、いろいろな用紙で検証した結果も記載していますので、最後までチェックしてくださいね♪
透けるの定義
透けて見える・透けて見えないは、人の感覚によっても捉え方が違うため、まずは「透ける」の定義を説明します。
この記事での透けるとは、用紙にペンで記入した面の裏側から見た際に、ペンで書いてあるかがあきらかにわかる状態のことを「透ける」と定義します。
つまり、下記の画像のような状態は両方とも「透ける」です。
ただ、左右の透け具合は「透ける」程度が違っています。
今回の記事では、上記の左のようにうっすら見えている状態は「△透ける」、右のようにインクが確実に滲んでいるものを「×透ける」と表現します。
そもそもなぜ透けるの?
裏抜けはそもそもなぜ起こるのでしょうか。
そこでまずはペンで用紙に文字が書き込まれる仕組みと、裏抜けする原因をご紹介します。
ペンで書き込みした瞬間、ペン先から出てきたインクは紙にのる状態となり、定着していきます。
インクが「浸透」と「乾燥」することで定着するのですが、「浸透」が用紙の厚みを越えてしまうことが、裏に透けてしまう原因です。
浸透しやすい条件は、以下の4つです。
- ペンのインクが浸透しやすいタイプである。
- 気温と湿度が高い環境。
- ゆっくりとペンで字を書いたり、塗りつぶすように使っていてインクが多くつく場合。
- 用紙が薄い。
では、1のインクが浸透しやすいペンとはどんなものでしょうか?
詳しく見てみましょう。
裏抜けしやすいペンの種類
ペンのインクは、溶剤と呼ばれるベースとなる液体と、色をつける着色剤が混ぜ合わされて作られています。
溶剤とは、「油性」や「水性」「アルコール性」に分かれ、着色剤は「染料」や「顔料」に分類されます。
染料タイプと顔料タイプ、それぞれの特徴は以下の通りです。
染料・・・着色剤の粒が溶剤に溶けているインクのタイプ。「用紙に染み込んで乾燥」する。
着色剤の粒は顔料と比べて小さく、色を混ぜることができるため、カラーバリエーションが豊富。
顔料・・・着色剤の粒が溶剤に溶けていないタイプ。「用紙の表面で乾燥」する。
着色剤の粒が大きいため、用紙の繊維に染み込むことができない。
染料は用紙の繊維に染み込んで文字が書かれるのに対して、顔料は染み込まず表面にのっている状態のもの。
つまりインクの浸透具合は、着色剤が影響していて、用紙に染み込んで定着する染料のタイプのほうが裏抜けしやすくなります。
また、溶剤にあたる水分量が多くサラサラしたインクほど、染料の中でも浸透率が高いため、より裏抜けする確率が高いです。
それでは次に、実際に検証してみましょう。
今回試したペンの種類
今回は、「油性ペン」「水性ボールペン」「アルコールマーカー」の3種類で検証します。
油性ペン・・・ZEBRA社様の油性ペンといえばこれ、といわれるマッキー。
紙用マッキーや水拭きで消せるマッキー、おなまえマッキーなど、さまざまな種類がありますが、透けやすいタイプにするため油性染料の一番ポピュラーなタイプを選びました。
水性ボールペン・・・パイロット社様の水性染料ボールペン。近年のボールペンに多いゲルインキと比べて、インクの粘度が低く、万年筆のようにサラサラとした書き味が魅力的な一本。
ボールペンの中で水性染料のインクは、用紙の繊維に染み込みやすく裏抜けしやすいと言われています。
アルコールマーカー・・・アルコールマーカーとはデザイナーさんやイラストレーターさんによく使われる、サインペンと水彩絵の具の中間のような使い方ができるペンです。
一番有名なものであるとToo.社様のコピックであり、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回の検証では、100円ショップのアルコールマーカーを使用しました。
検証結果
上記で紹介した3種類のペンを使って、日常的に書くことも多く、重なる部分が多い漢字の【様】を書いて試してみました。
まずは70・90・110・135・180・220kgの6種類の厚みでご用意している「コート紙」「マットコート紙」「上質紙」の結果を紹介していきます。
コート紙の場合
油性ペン | 水性ボールペン | アルコールマーカー | |
---|---|---|---|
70kg | △透ける | △透ける | △透ける |
90kg | △透ける | △透ける | △透ける |
110kg | △透ける | △透ける | △透ける |
135kg | △透ける | △透ける | △透ける |
180kg | ○透けない | ○透けない | ○透けない |
220kg | ○透けない | ○透けない | ○透けない |
チラシなどに使われるコート紙は塗工紙なので、ペンのインクが弾かれている感覚がありました。
とくに水性染料のボールペンはインクが乾かず、触るとにじみ続けたのでコート紙に不向きなペンとも言えるでしょう。
油性染料やアルコールマーカーも染み込むというより、表面で乾燥するといった定着の仕方のため、塗りつぶしたりしない限りは「×透ける」にどの厚みもなりませんでした。
マットコート紙の場合
油性ペン | 水性ボールペン | アルコールマーカー | |
---|---|---|---|
70kg | △透ける | △透ける | ×透ける |
90kg | △透ける | △透ける | △透ける |
110kg | △透ける | △透ける | △透ける |
135kg | △透ける | ○透けない | △透ける |
180kg | ○透けない | ○透けない | ○透けない |
220kg | ○透けない | ○透けない | ○透けない |
エステや美容室などの光沢を抑えたチラシで使われる微塗工紙のマットコート紙は、コート紙と比較するとペンで書き込める用紙でした。
しかし塗工剤が塗られていることから多少インクを弾いてしまうため、水分量の多いペンはインクが乾く時間が必要となります。
上質紙の場合
油性ペン | 水性ボールペン | アルコールマーカー | |
---|---|---|---|
70kg | ×透ける | ×透ける | ×透ける |
90kg | ×透ける | △透ける | ×透ける |
110kg | ×透ける | △透ける | ×透ける |
135kg | ×透ける | ○透けない | ×透ける |
180kg | △透ける | ○透けない | ×透ける |
220kg | ○透けない | ○透けない | △透ける |
スタンプカードや病院のカルテなどで使われる上質紙はコート紙、マットコート紙と比較すると、塗工剤がないことでインクを吸収しやすく、裏抜けしやすかったです。
ペンを用紙に押し付けた状態にすると、どんどんとインクが吸い込まれ、あっという間に裏抜けしてしまいます。
その他の用紙
コート・マットコート・上質以外の用紙でも検証しました。
キングプリンターズでは10枚から注文できる「オンデマンド印刷」で印刷できる用紙を特殊紙と呼んでいます。
「透けなかった用紙」「透けが目立たない用紙」「透けて見える用紙」の結果別で、一気にご紹介していきます!
透けなかった用紙:すべての検証結果が○の用紙
すべてのペンで透けなかった用紙。
裏面から見ても透けて見えないので、安心です。(画像)
油性ペン | 水性ボールペン | アルコールマーカー | |
---|---|---|---|
ハイマッキンレー ポスト180kg |
○透けない | ○透けない | ○透けない |
ハイマッキンレー マットポスト180kg |
○透けない | ○透けない | ○透けない |
サテン金藤180kg | ○透けない | ○透けない | ○透けない |
ヴァンヌーボVG 195kg | ○透けない | ○透けない | ○透けない |
ミラーケント220kg (ミラー面書き込みの場合) |
○透けない | ○透けない | ○透けない |
Mr.B 180kg | ○透けない | ○透けない | ○透けない |
ミセスB-F 180kg | ○透けない | ○透けない | ○透けない |
クロコグロス230kg | ○透けない | ○透けない | ○透けない |
透けて見えるのが目立たない用紙:△が1つ以上の用紙
ペンによっては透けて見えたもの。
「透け」が気になる方は要注意です。(画像)
油性ペン | 水性ボールペン | アルコールマーカー | |
---|---|---|---|
ミラーケント220kg (ケント面書き込みの場合) |
○透けない | ○透けない | △透ける |
アラベール200kg | ○透けない | ○透けない | △透ける |
スノーエッセンスCOCキラ166.5kg | △透ける | ○透けない | △透ける |
ブンペルクラフト175kg | ○透けない | ○透けない | △透ける |
ブンペルソイル175kg | ○透けない | ○透けない | △透ける |
透けて見える用紙:×が一つでもついたもの
裏抜けしてしまっているペンもあるので、透けない用紙で探している場合は、避けておく方がいい用紙です。(画像)
油性ペン | 水性ボールペン | アルコールマーカー | |
---|---|---|---|
ザラクラフト108kg | △透ける | ○透けない | ×透ける |
マシュマロ220kg | ○透けない | ○透けない | ×透ける |
しこくてんれい180kg | ○透けない | ○透けない | ×透ける |
マーメイド160kg | △透ける | △透ける | ×透ける |
スラスラと書きやすいものほど、裏抜けも起こりやすい印象でした。ペンのインクを吸い込みやすい用紙ほど、書き込みやすいということですね。
まとめ
ペンの種類と紙厚・紙種によって大きく差が分かれる結果となった今回の検証結果。
個人的には厚みよりも塗工紙かそうでないかの用紙であるほうがハッキリと結果に差が出たことが、意外な発見となりました。
ちなみに、△透けるの用紙については、ペン先を押し付けた状態にすると×透けるとなってしまうものもあったので、通常の筆記ではなく色を塗るなど「ペンを何度も重ねる」場合は注意しましょう。
ここまで読んだ方の中には、
「自分のペンはどの種類かよくわからないけど、裏抜けしないか気になる。」
「印刷物にサインとしてイラストを手書きするから、何度もインクを重ね塗りしてしまう。」
「他のペンで試した結果が気になる。」
と、いった方もいるのではないでしょうか?
そんな方は、無料で請求できる「サンプルセット」を使ってご検証ください。
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この記事をご参考に、用紙の裏面までこだわった印刷物を、ぜひ作成ください☆