両面印刷を注文する時に気をつけなければならない点は、「オモテ面とウラ面で縦型と横型のデザインを組み合わせる場合」と「ネット印刷に印刷データをアップロードする(送る)方法」です。
この2つの注意点を守らなかった場合、それぞれのネット印刷の基準で印刷されたり、納期が遅れてしまう事態になることも。
気をつけなければならない理由
1)オモテとウラで縦型と横型のデザインを組み合わせる場合
オモテとウラの面を合わせる方向が2パターンあるため、自分の想像している方向とは違う仕上がりとなる可能性があるからです。
希望どおりのオモテ・ウラで仕上げるには、「天地」と呼ばれる印刷物の上・下の指示をハッキリさせなければなりません。
2)ネット印刷にデータを送るとき
両面印刷は複数データをネット印刷会社にアップロードする(送る)方法がわからない方が多く、間違ってしまった場合、不備がある印刷データとして扱われてしまい、納期が遅れてしまうことがあるためです。
最悪の場合、ネット印刷会社でこの不備を解消してもらうために、特急料金や修正料金が必要になってしまうことも・・・。
この2つはすべてのネット印刷に注文する際にも共通していることであり、正しいデータ作成とアップロード方法で行うことでスムーズに注文することができます。
そこで今回は、「縦型と横型のデザインを組み合わせる場合の正しいデータの作り方」と「両面印刷の場合のデータをアップロードする方法」をくわしく解説します!
両面印刷されることが多い名刺やポストカード、ショップカード、スタンプカードなどを作る予定の方は、ぜひご覧ください。
上下(天地)の向きを間違われない方法
上・下を表す「天地」は「天=上、地=下」の意味であり、オモテ面とウラ面の方向を間違えず印刷されないために必要となります。
印刷データのデザインよりも外側に「天・地」と記載することで、上下が間違われずに印刷されるのですが、この指定がない場合、それぞれのネット印刷のルールで決められている向きで印刷されます。
「オモテ面が縦向き、ウラ面が横向きの場合」のデータ作成方法
こういった画像のようなイメージしていた天地と向きが違う印刷とならないようにするためには、「縦型・横型の向きを揃えてデータ作成する」ことで解消します。
1.まずは縦型と横型のまま、データを仕上げます。
2.次にウラ面にするデータを選択します。
3.オモテ面のデータと同じ向きにする際に、上部にしたいほうが上(天)になるよう、画像を回転させます。
その後、できればデザインの外側に天地の指定をしましょう。
以上のようにすることで、どのネット印刷に注文しても、イメージ通りの配置に印刷されます。
上下(天地)の向きを間違いやすいケース
「縦と横の組み合わせ」と同様に上下の組み合わせで注意すべき、その他のレイアウトパターンが2つあります。
1)ショップカードなどで見られる、ひし形のデザインの印刷データを作る場合
ショップカードやポストカードなどで「ひし形」使う場合、注意しなければならないのは「オモテ面とウラ面で上下が重なる」ように作られたデザインです。
オモテ面とウラ面できちんと重なるように印刷するには、同じ向きで作成した後、片面を90°回転させなければなりません。
ひし型のデザインではかなりの確率で引っかかってしまわれるデザイナーも多いので注意しましょう。
2)ポイントカードで見られる、縦長のタイプで折り加工が入る場合
スタンプカードなどによく見られる、広げると縦長のタイプに折り加工が入るデザインは間違いが起こりやすいデザインです。
上の図のように、「表紙」になる部分を下半分側にデータを作成した場合、ポイントカードを開くと中面がひっくり返っている状態となってしまいます。
※ちなみに、ネット印刷会社でも上図のようなデータをチェックした場合でも、データそのものには問題がない印刷データとされ不備にならず印刷されてしまうことも多いのでご注意ください。
このような場合、オモテ面のデータを180度ひっくり返し、上半分が「表紙」になるようにしましょう。
こういった方向がややこしい商品に関しては、いちど家庭用プリンターで印刷しオモテ面・ウラ面で上下(天地)を合わせて、イメージしていたとおりの配置であるかを確認するのがオススメですよ。
複数の印刷データのアップロードする(送る)方法
家庭用のプリンターであれば、設定画面を操作をするだけで両面印刷も簡単にできるのですが、ネット印刷では印刷データを送る必要があります。
ネット印刷に印刷データを送ることを「アップロード」や「入稿」といい、基本的に両面に印刷をするには「オモテ面」と「ウラ面」の2種類の印刷データが必要です。
しかし、ほとんどのネット印刷では1つの印刷商品につき送信できるデータは1つだけのため、不慣れな方にとって悩まれることがとても多い操作のひとつです。
2つのデータをアップロードする場合、「データを1つのフォルダにまとめたあと、圧縮して送信する」が正しい方法です。(pdf入稿の場合は除く)
また、データの名前はオモテ面のデータを「omote」や「front」、ウラ面のデータを「ura」や「back」と半角英数字にして保存しましょう。
半角英数字になっていない場合、ネット印刷に届いたデータ名が文字化けしてしまい、不備となってしまう場合があります。
ただ、2つのデータをまとめて送るだけなのですが、入稿できなかった以外で不備となる可能性のあるケースは以下のようになります。
1つのデータの中に2つ以上のデザインが同じファイルの中に入っている
1つの印刷データのなかにデザイン以外のデータを残してアップロードしてしまうと、どのデザインがオモテ側なのかウラ側なのか分かりません。
そのためネット印刷会社が判断つかず不備として扱ってしまうことがあります。
ちなみに、イラストレーターの機能などを使って、部分的にデザインを画面から「隠す」ことも可能ですが、ネット印刷側のデータ処理で隠したものが現れて印刷されてしまうこともしばしば・・・。
1データの中には1つのデザインだけにしておくほうが確実です。
必要以外のデータが分かりづらく同じフォルダの中に入っている
ネット印刷では、スクリーンショットなどのサンプル画像を一緒に送っていただくことをオススメしています。
これは実際の印刷データとお客様の仕上がりイメージが間違いないか、確認するために使う画像です。
しかし、サンプル画像のデータ名が印刷データと区別がつかず、不備になってしまうことがあります。
これを防ぐためには上の図のように、ファイル名の先頭に「sample」とつけておきましょう。
※ちなみにキングプリンターズでは、サンプル画像をアップロードする専用のフォームをご用意しております。
また、他にもトラブルになりやすいアップロードの事例は、同時に数名分の名刺を注文する場合などに起こります。
ネット印刷によっては、ひとつのデータやフォルダ内に数名分すべて入れていてもOKな場合もありますが、1人分ずつ印刷データとフォルダをセットにして分けておけば、問題になることはありません。
まとめて注文すると割引される商品などがあるネット印刷では、割引対象となるための専用テンプレートが用意されていることもあるので、利用するときは事前にしっかりとご確認ください。
まとめ
いかがでしたか?
両面印刷の印刷物をイメージ通りに仕上げるために、指定やアップロード方法をきちんと守ることは大切ですね。
ちなみに、キングプリンターズでは「オモテとウラで縦型と横型のデザインを組み合わせる場合」について、天地の指定が印刷データ内にないとき「文字が始まる位置が上(天)」になります。
※日本語の縦書きの場合、天地が逆です。
どういうルールがあるにせよ、自分のイメージ通り印刷されるように天地の指定をしておいたほうが間違いありません。
もちろん上記だけでなく、ネット印刷に注文するときにはさまざまなな注意点があります。
基本的なデータ作成について知りたい方は、ぜひキングプリンターズの「完全データへの道」をご覧ください。
この記事が両面印刷をする方にとってお役立ちとなりますように。