カフェのメニューに使用する用紙には、「コート紙」という紙に、水をはじいて汚れにくくする「PP加工」や「ラミネート加工(パウチ)」をするのがオススメです。
もし、加工をしない場合は、紙自体が落ち着いた雰囲気をもつ「マットコート紙」や「上質紙」がオススメです。
上記でオススメした加工と用紙について、詳しく特徴を説明します。
それぞれの加工の特徴
- PP加工
- 印刷物の表面に「PPフィルム」を圧着させる加工のこと。
「PP」とは「Poly-Propylene」の略で、プラスチックやビニール包装に使われている素材です。
「PPフィルム」にはツヤのある「コート(グロス)PP」とツヤ消しされた「マットPP」の2種類があります。 - ラミネート加工(パウチ)
- ラミネート加工とは、用紙に厚手の透明フィルムを両面から貼り合わせる加工方法のことです。
ラミネート加工した用紙はPP加工した用紙よりも強度があり、いわゆる「下敷き」のようなイメージになります。
※ラミネート加工はパウチとも呼ばれることもあり、「パウチ」とは、明光商会という会社が発売した家庭用ラミネート機の製品名の一部です。
一般家庭でこの名称が定着したため、「パウチ」といわれることもありますが、意味は「ラミネート」と同じになります。
それぞれの用紙の特徴
- コート紙
- 紙の表面を特殊な薬剤でコーティングしてあり、つるつるしていて光沢がある。
カラー写真やイラストを印刷すると発色が良い。 - マットコート紙
- しっとりとした質感をもつ用紙。
写真や文字のどちらを印刷するのにも適しています。 - 上質紙
- ざらざらした質感をもつため、手作り感のある雰囲気を出したい時にオススメの用紙。
マットコート紙に比べて、写真が少し暗めに印刷されます。
マットコート紙や上質紙など、用紙の詳しい説明は以下の記事でも紹介しています。
印刷用紙には色々な名称があるようですが、違いがよく分からないので教えてください。
言葉による説明だけでは、具体的にイメージしづらいかと思います。
そこで、それぞれの用紙と加工のメリット・デメリットを踏まえて、“メニューを設置するシーン別”でオススメの用紙の組み合わせを紹介します。
テーブルに常に置いておくタイプのメニュー
テーブルのメニュー表は「コート紙」に「両面マットPP加工」がオススメ
テーブルに置くメニュー表は、ドリンクや料理で汚れてしまう可能性を考慮しましょう。
そのため、用紙は水分や汚れがついても拭き取りやすい「両面マットPP加工」を加えた「コート紙」にすることをオススメします。
また、「マットPP加工」は、メニューの「光の反射」を押さえるので、落ち着いた印象になります。
メニュー表はカフェやお店の雰囲気をつくる要素でもあるので、あまりキラキラしているものよりは、少し反射を押さえた方がよいでしょう。
※ザラついた質感の用紙である「マットコート紙」や「上質紙」に「PP加工」や「ラミネート加工」を施すと気泡が入ってしまう恐れがあるため、キングプリンターズではオススメしておりません。
実は、スター◯ックスや、サ◯ゼリヤなどの大手の飲食店で使われているメニューも、この「コート紙」にマットPP加工やラミネート加工をしたものがほとんどなんですよ。
ただし、1点注意点があります。
それは、「PP加工」は側面をフィルムで覆うことができないため、側面から水分を吸収して汚れたり、用紙がふやけてしまうこともあるので注意が必要です。
こうなってしまうと、メニューに清潔な印象がなくなってしまうので、破棄するしかありません。
なので、汚れやすいようなカウンターなどにあるメニュー表などは、次に紹介するラミネート加工をすることをオススメします。
商品の受け渡しをするカウンターに置いてあるメニュー
フードやドリンクの受け渡しをカウンターで行うようなカフェは、テーブルオーダーのカフェと比較すると、ドリンクの水滴が跳ねたり、食材の一部が落ちてしまう確率がどうしても高くなってしまい、メニューが汚れやすくなります。
そのようなカウンターには「コート紙」に「ラミネート加工」したメニューが適しています。
ラミネート加工はPP加工と違い、用紙のフチに数ミリ余分にラミネートされるため、側面から水分や汚れが入ってしまうことがありません。
(弊社キングプリンターズでは対応しておりませんが、「フチなしラミネート加工」を行っている印刷業者もあります)
ただし、先ほどお伝えした通り、「ラミネート加工」すると、いわゆる「下敷き」のような強度になるため、複数ページのメニュー表などには適していません。
ドリンクメニューなど、1枚モノの両面メニュー表などに使うのが適しています。
卓上POPは「コート紙」に「表面コートPP加工」がオススメ
ファミレスなどでよく見かける「卓上POP」の場合、メニュー表と違って裏側にはPP加工は必要ありません。
そのため、「コート紙」に「表面のみのコートPP加工」をするのがオススメです。
「卓上POP」は、通常メニューにはない期間限定商品の紹介や、食後のデザートなどをアピールするのに最適ですね!
あえてPP加工やラミネート加工をしない
新規オープンしたばかりのお店や、日替わりメニューがあるお店であれば、メニューの内容やデザインを変更したい頻度が高いですよね。
そんな場合は、「マットコート紙」や「上質紙」の用紙だけで印刷し、PP加工やラミネート加工をしないことをオススメします。
というのも、PP加工やラミネート加工を追加すると、加工料金がプラスされ、メニュー1枚あたりの制作費用が高くなってしまうからです。
なので、頻繁にメニューの内容やデザインを変えたいのであれば、あえて加工をしないというのもひとつの手です。
また、頻繁にメニューを変えることがある場合は、メニュー内に「印刷しない空欄」をデザインしておき、手書きで「日替わりメニュー」や「本日のオススメ」などを記載するという方法もあります。
その場合は、「コート紙」よりも、エンピツやボールペンでの書き込みがしやすい「マットコート紙」や「上質紙」を選ぶことをオススメしています。
まとめ
いかがでしたか?
今回はカフェのメニューを作る際の、オススメの用紙や加工方法をご紹介しました。
カフェの外装や内装にはこだわるけど、メニューの用紙選びは後回しで忘れてしまうという方は多いです。
お店の雰囲気を良くして、お客様の満足度を高めるためにも、ぜひメニューの用紙にこだわってみませんか?
キングプリンターズでは、ラミネート加工されたメニューや卓上POPメニューのサンプルをご用意しております。
サンプル請求ページの「その他ご要望」欄に「メニュー」や「卓上POPメニュー」と記載いただければ、数日でお送りいたします。
「実際に使われているお店のメニューなの?」と思うほどのリアルなサンプルになっていますので、ぜひお手元でご確認いただければ幸いです。