ポストカードを作成する際、気をつけたい点は
「郵送するためのルールを守ること」です。
ルールはすべて守らないと、送ることができない可能性があるので、絶対に守らないといけません。
はがきを郵送するルールで気をつけたい点は、大きく分けると2つ。
「1.重さとサイズ、2.宛名面の記載のルール」です。
ちなみに、2024年10月に郵便料金の改定があり、郵便物を送る際の料金が一部以下のように変更されました。
通常はがき:63円 → 85円
往復はがき:126円 → 170円
年賀はがき:63円 → 85円
50gまで:規格内120円/規格外200円 → 規格内140円/規格外260円
50g〜100g:規格内140円/規格外220円 → 規格内180円/規格外290円
サイズとは・・・長辺34cm×短辺25cm×厚さ3cm。角2サイズの封筒とほぼ同じ大きさです。
以前より料金が高くなったからこそ、送る際のルールをしっかりと守って、余分な料金が発生しないようにしたいですよね。
そこで今回はポストカードを作成する際の注意点とオススメの用紙をご紹介します。
目次▼
ポストカードは「はがき」のこととは限らない
ポストカードはさまざまなタイプによって郵便料金が異なります。
たとえば、一般的に販売されている、郵便はがきサイズ(100×148mm)で作られたポストカード。
このポストカードは85円で送ることができます。
一方、美術館や原画展などで人気の「正方形(140×140mm)」のポストカードの郵便料金は140円となってしまいます。
このように、この2つのポストカードの郵便料金は、サイズや重さ、規則にそった表記であるかで85円=「はがき(第二種郵便物)」と、85円以上=「手紙(第一種郵便物)」に分類されます。
実際にお客様の声でも、
「表記を忘れたので85円で送ることができなかった・・・」
「切手は85円でよいと思ったら、サイズが大きいので、追加分の切手を貼らなければいけなくなった・・・」
と、稀に聞くことがあります。
そこで、こういった悲しいことが起きるのを防ぐためにも、今回の記事では85円で送ることができるポストカード(はがき)の作成のルールをご説明していきます。
ポストカード(はがき)を郵送するためのサイズや表記のルール
ではさっそく作る際の注意点をご説明していきます。
まずは「サイズ」と「重さ」についてを説明します。
1.ポストカードのサイズは「長辺140mm〜154mm、短辺90mm〜107mm」、重さ「2g~6g」に収めなければならない
85円で送る条件として、大きさが「長辺140mm〜154mm、短辺90mm〜107mm」、重さが「2g~6g」の長方形の用紙でなければなりません。
つまり、作ることができる大きさは、最小サイズ「90×140mm」、最大サイズ「107×154mm」となります。
上記に加えて重さを2g以上にするには、「定型(郵便)はがきサイズ:100×148mm」で作成する場合、ネット印刷で一般的に取り扱いのある定番紙だと「紙厚135kg」以上が必須条件になります。
さらに、弊社取り扱いの用紙で、郵便はがきのサイズだけでなく、最小サイズ、最大サイズで条件に収まる定番紙の重さを実際に測って調べました。
85円で送ることができる定番紙の紙厚
ちなみに、弊社で一番紙厚の大きい特殊紙「クロコグロス230kg」でも4gに収まりました。
計算してみたところ、上限の6gを超える紙厚は、最小サイズ(90x140mm)で400kg、最大サイズ(107x157mm)で315kgとかなり大きく、一般的にネット印刷で利用されている用紙であれば、問題はないことがわかりました。
逆に、2g未満にならないよう、A4サイズの下部に切り取れるタイプのはがきチラシなどを作る場合は、注意してくださいね。
※印刷会社によって紙のメーカーの取り扱いが違うため、若干重さは異なる場合がございます。
もしも、すでに作ろうと思っているサイズが上記のルールに当てはまらなかった場合、85円以上の料金で送ることになりますので、郵便局ホームページの「定形郵便物・定形外郵便物のサイズ・重さについて」をご確認くださいね。
2.宛名面はルールが存在している
「サイズ」と「重さ」が分かったところで、「宛名面のルール」をご紹介します。
宛名を記入する面には、以下のルールがあります。
- 「郵便はがき」や「POSTCARD」の記載を上部または左側中央に入れる
「郵便はがき」もしくはこれと同じ意味の単語(POSTCARDなど)を、はがきの上部か左側中央に入れることが決められています。
この記載がないと、85円で送るはがきとして取り扱われません。
- 白色、もしくは淡い色の用紙を使う
用紙を白色や淡い色で作る規程があるのは、宛名や上記で説明した記載ルールである【郵便はがき】などの文字を読み取りやすくするためです。
そのため、色が少し濃い場合は、宛名ラベル(シール)を使って宛名を表示することや、郵便はがきの表記が読み取れる文字色での印刷が必要です。
- 広告(文章)を入れる場合、用紙の2分の1の範囲で収める
会社やお店のDM、個人の絵はがきなどで、宛名以外の「広告」や「メッセージ」などを宛名面に入れる場合があります。
その場合、用紙の1/2の面積、縦向きであれば下半分、横向きであれば左半分が記載可能な範囲となります。
また、しっかりと宛名と広告(文章)がわけられているようにしないといけません。
ポストカードの場合、手書きの文章を書くことができる範囲がわかるよう区切り線などをデザインにしておいてもいいかもしれませんね。
- 切手の枠は長辺から35mm、短辺から70mmの範囲に入れる
切手を貼る位置を示す枠を入れる場合、縦向きであれば左上・横向きであれば右上の「長辺から35mm、短辺から70mm」の範囲内に収めなければなりません。
枠のサイズや形には決まりはなく、一般的に普通切手が貼り付けやすい「16×20mmの四角形」が使われています。また、企業などで料金別納郵便で出す場合は、切手枠を入れる範囲に下の図のような「直径2〜3cmの円形・縦横2〜3cmの四角形」を表示しなければなりません。
※詳しくは郵便局ホームページのこちらにてご確認ください。
切手枠といえば、四角形が定番。しかし、ハート型や金魚型など、変わった形の切手もあるため、貼り付けたときに枠線がはみ出してしまうことがあります。
切手を貼ったあとのイメージにもこだわるなら、15mm×15mm程度のワンポイントで貼る位置を示すのもオススメですよ!
- 郵便番号の枠をつける際は金赤か朱色で、JIS規格に合わせた箇所に入れる。
郵便番号枠は、ポストカードの宛名面に必ず必要なものではありません。しかし、枠を配置する場合には青色や黒色が含まれない「金赤(C:0% M:100% Y:100% K:0%)」もしくは「朱色(C:0% M:85% Y:100% K:0%)」※という色を使用するルールがあります。
※朱色には「必ずこの色の配分」というものがありません。そのため、上記のように、青色や黒色を含まない色をお使いいただければ、問題ありません。郵便番号を読み取る機械が青色や黒色に反応するようにできているため、誤った地域に振り分けられないよう、金赤もしくは朱色を使うように決められています。
郵便番号枠を入れる箇所や線の太さはJIS規格により決まっているので、下記画像を参考に、ルールに従ってレイアウトしてください。
ちなみに、宛名面テンプレートには、郵便はがきの記載も、郵便番号枠もルールに従って配置されたものがあるので、そちらをダウンロードしていただくと簡単です♪
ポストカードにオススメの用紙
ルールのご紹介が終わったところで、印刷会社スタッフ斉田が選ぶ、オススメのポストカード用紙5種類を発表します!
- 上質紙180kg
- ブンペルソイル
- ミラーマット
- しこくてんれい
- アラベール スノーホワイト
あたたかみのある白色の用紙のため、水彩画のような、透明度のあるイラストと合わせるのに相性が良いです。
上質紙は筆記性にも優れているので、後から色を塗り足して販売するポストカードにも向いています。
紙のパルプ本来のやさしいブラウンとしっかりとした用紙がナチュラルな雰囲気を出します。
文字や写真、イラストが少しかすれた雰囲気に印刷されるのも味が出ます。
キングプリンターズでは、ミラー面にPP加工がセットになっているので、写真が印刷されたポストカードに向いています。
コートPPフィルムで光沢のある華やかな印象に、マットPPフィルムで落ち着いた印象になります。
見る角度によって特殊繊維が光をきらきらと反射し、上品な雰囲気を演出します。
ウラ面はケント紙となっているため文字も書き込みやすく、招待状等にも良いですね。
あたたかさを感じられる手触りをもつので、やさしい雰囲気のイラストでポストカードを作成する際、ぜひ使っていただきたい用紙です。
オススメの用紙の質感などが気になる方は、基本サンプルセットとオンデマンド紙の見本帳をこちらからご請求ください♪
85円で送ることができる特殊加工
では最後に、加工しても85円で送ることができる、意外な加工をご紹介します。
1.エンボス加工・・・エンボス加工は、用紙を型で挟み、圧力を加えて文字や絵柄などを立体的に浮き上がらせます。
ただし、エンボス加工入りのはがきを作成する際は、切手位置や宛名を記載する箇所に重ならないように、ワンポイント程度の大きさで加工を入れるよう注意しましょう。
2.ミシン目・・・ミシン目加工とは、チケットやクーポン付きチラシなどに見られる、切り離す際に補助となる切り込みを入れる加工です。
なので、はがきをそのままチケットとして使うこともできるんですね!
ミシン目加工は、180kg以上の用紙であると、切り離しにくくなるため、ミシン目を入れる際は135kg程度の紙厚で作ることをオススメします。
ちなみに、形のルールに「長方形」という決まりがあるのですが、実は、基準線(※)から2mm以内の切り込みは入れることができます。
2mm以内であれば、たとえば、角の丸いポストカードや、ぎざぎざのフチでできたものが作れます。
とはいっても、2mmってかなり小さいので、あまりわからなさそうですね・・・(汗)
※基準線とは・・・図形を製図する際、寸法や位置などの基準にする線。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
さまざまな条件を説明していきましたが、ポストカードを85円で送るには、ルールを守ることが大切なので、ぜひネット印刷会社のテンプレートもご活用くださいね。
ちなみに、キングプリンターズでは、デザインが苦手な方でもかわいいポストカード作成できる、「私製はがき宛名面」のデザインテンプレートをご用意しております。
すでに郵便番号の枠やイラストが完全データで作成され、そのまま入稿できる便利なデザインテンプレートなので、宛名面にデザインテンプレートを使用し、もう一面はお気に入りのイラストや写真を配置するだけで、オリジナルのポストカードが完成しますよ♪
この記事が、オリジナルポストカードを作ろうとしているあなたのアシストとなれば幸いです。